転がる石、君に痛みが来る

バンド・ランタノイドの歌、ギター、結石担当佐々木によるブログ。

2023年のアレやコレと2024年のソレ

某日

 

twitterで話題になっていたニコラス・ケイジ主演の「ウィリーズ・ワンダーランド」をアマプラで視聴。ラストシーン直前にこばさんが帰ってきて「どんな映画?」と聞いてくる。「ニコラス・ケイジが人形をひたすらにぶっ壊すだけの映画だよ」「………?」だってそうとしか言えないんだもの。面白かったけど中身がなさすぎたので、前から気になっていた「ハングオーバー 消えた花婿」「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」を立て続けに視聴。さすがにお腹いっぱいだ。ウィリーズ・ワンダーランドのおかげで、後ろ2作品がとてつもなく名作に思えたのでヨシとする。

 

7月某日

 

君たちはどう生きるか」を初日に清野さんと見にいく。前評判なしで映画を見にいくのは久しぶりな気がする。っていうか事前情報が一切ないのだから何もわからんのは当たり前だ。

 

………すごかった。すごく、すごいです!(NRT)

言葉がない。29年生きてきて一番の物語かもしれない。

常々言うのだが、映画にとって「脚本」は大事だけど、それ以上に「映像」の方が大事なわけで。

アニメーションってすげえなって思った。これにはまたいずれ触れたいと思う。

 

11/19

 

12/2の小田原クエストのライブに啓太郎が出れないことが決まってからサポート探しの旅が続いていたが、前々から声をかけていた「さかな日記」のアイミちゃんに結局頼むことになってしまった。なってしまった、という書き方には語弊があるかもしれないので詳細を書くけども、さかな日記は12/9にswitch boardとのレコ発ツーマンを控えているのだ。その時期は超絶多忙であることが分かっていたので、サポートをお願いすることでさらに負担をかけてしまうのはやばいのでは、と僕もこばさんも悩んでいた。でも結果としてお願いするしかなかった。若い子に頼らなくてはならないおっさんたちを許してくれ。

18時から横浜ペンタでリハーサルがスタート。アイミちゃんは最初不安げだったが、合わせていくうちにすっかりバンドに溶け込んだ。それが面白くてこばさんと何度も顔を見合わせながら演奏していた。

この7年ばかし、サポートも入れず3人だけでやってきたわけだが、それこそ大分奇跡だったのだ。それを再認識できるいい機会となったし、同時にいくら演奏がうまくても、合わせる技術があっても、啓太郎のドラムって啓太郎しか叩けないんだな、ということが分かるのも嬉しかった。僕の文章力では感動が伝わらないのが惜しい。

 

12/31

 

晦日bitは2年ぶりの出演となった。week endの締めと、GOENDZの明け。バンドの未来は明るいぜよ。

公演後はお決まりとなっている初詣へ。一昨年より寒さが厳しくなくて非常に助かる。恋みくじが大吉だったが、別のところで運を使いてえもんだ。

眠たい目をこすり、朝6時ごろに帰宅。充実した1年の始まりを願って眠る。

 

1/1

 

地震。元日から言葉を失った。ちょうどその時間にテレビを点けていたこともあって、すぐさまNHKに切り替える。アナウンサーが語気を強める。「逃げてください!今すぐ!」その緊迫感で目が回る。なんだよこれは。

津波の映像もポツポツとSNSで拡散され始めていくと、いよいよただごとではない空気が漂ってくる。現地にいる、いないは関係なく、ひたすらに気分が落ち込む。

音楽なんてやってる場合じゃねーんだよな。と思いつつも、眠る頃になって、急に新曲のフレーズが浮かぶ。だめだ。今浮かぶものなんて、絶対傲慢なものになる。そういう失敗はもうしたくない。3月11日を想って作った歌が、当事者の前でどんな風に響くか。俺は嫌というほど知っている。その時のどうしようもなさを、ふがいなさを、浅はかさを、どうしようもなく知っている。

覚悟がないから歌えないというのも、情けない話だ。

 

2/4

 

夜の標本というbit企画で1ヶ月ぶりのライブ。トリもらって、意気込んで歌う。アンコールでガラガラの声を披露して、まあ、そんな日もあったっていいじゃないか、とひとりごちた。

こういう企画ライブの日は、たいてい良い出会いがあるもんだ。バンドだけじゃなく、永山先生から教えてもらったコーヒーショップも素晴らしかった。栗?みたいな帽子を被ったお姉さんのコーヒーを作る所作というか、手際の良さにひたすら感心した。素早いとかじゃなくて、流れる動作の中に愛があって、「この人の淹れるコーヒーは絶対旨いだろうなぁ」と思わせる振る舞いだった。実際旨い。代償としてトイレが近くなった。

 

2/24

 

新徳と、庭山、カガミ、有馬が遊びに来るというので、午前中にしこたま部屋を掃除した(ほとんどこばさんがやってくれた)。啓太郎も入れて、7人。ぎゅうぎゅう詰めの室内でモクモクとタバコの煙があがる。懐かしい居心地の悪さだ。でも、嫌いじゃないんだ。

タッグ戦で麻雀をしつつ、バンド談義に花を咲かせる。ああでもない、こうでもない、と話し合えるのは楽しいし、そこに年齢の差はあってないようなものだ。バンドの数だけ悩みはあるし、バンドの数だけ音がある。自分たちにしか鳴らせない音をずっと探している。メジャーもインディーズも関係ない。売れるか売れないかも、極論どうでもいい。ランタノイドにしかできない音楽を追い求めるだけで、それはきっと一生叶わない。一生叶わないのがわかっているから、一生をかけて追っていけるんだと思う。そんな感じでやってきた十年のおかげでいろんな出会いが生まれて、

俺は後輩の親ッパネに無様に振り込むことになった。リベンジいいか?